鯉夏に「かんざし着けて」とせがむ禿たちを見守る炭子ちゃん。

一方、京極屋では善子ちゃんがいなくなっていた。

楼主「蕨姫花魁の気に障るようなことをするからだ…善子も…お三津も…。」

猪子「だ～か～ら！俺んとこに鬼がいんだよ！こういうやつがいるんだって！こういうのが！」

炭子「うん…それはあの…ちょっと待ってくれ。」

猪子「こうか！？これなら分かるか！？」

炭子「そろそろ宇髄さんと善逸が定期連絡に来ると思うから…。」
猪子「こうなんだよ！俺には分かってんだよ！」
炭子「うん、うん…。」

宇髄「善逸は来ない。」

気配もなく現れた宇髄さん。

猪子「《こいつ…やるやつだぜ。音がしねえ…風が揺らぎすらしなかった…。》」

善子…善逸との連絡が昨夜から途絶えている。
階級の低い炭治郎たちを連れてきたのは判断ミスだったと反省する宇髄。

宇髄は炭治郎たちに「もうここから出ろ」と言うが…？

炭子「俺たちが一番下の階級だから信用してもらえなかったのかな…。」

猪子「俺たちの階級、庚（かのえ）だぞ。もう上がってる。」
炭子「えっ？」

猪子「階級覚えてるか？前は一番下の癸（みずのと）だったろ。今は下から4番目・庚だ。」

猪子「いいか、見てろ。階級を示せ。」

そう言うと、手の甲に浮かんでくる階級！

猪子「どうだ！」

炭子「へぇ～…。」

炭子「《何それ…。》」

炭子「こういうことだって知らなかった…。」

気が抜ける炭子ちゃん。

炭子「そうだ、こんな場合じゃないんだごめん！夜になったらすぐに伊之助のいる荻本屋へ行く。それまで待っててくれ。一人で動くのは危ない。」

猪子「何でだよ！」
炭子「今日で俺のいる店も調べ終わるから！」

猪子「俺のとこに鬼がいるって言ってんだから今から来いっつうの！」

猪子「あったま悪ぃなてめえはホントに！」
炭子「ひがうよ～！」
猪子「あぁん！？」

炭子「夜の間、店の外は宇髄さんが見張っていただろ！痛たたたたた…！」

炭子「でも善逸は消えたし、伊之助の店の鬼も今は姿を隠してる…ちょっとペムペムするのやめてくれぇっ！」

すごく表情豊かで面白い。

炭子「建物の中に通路があるんじゃないかと思うんだよ。」
猪子「通路？」

鬼が店で働いているとしたら、バレずに殺すのは難しい。
そこで通路から外に連れ出していると考えた。

炭子「俺は善逸も、宇髄さんの奥さんたちもみんな生きてると思う。そのつもりで行動する。必ず助け出す。伊之助にもそのつもりで行動してほしい。」

炭子「そして…絶対に死なないでほしい。それでいいか？」

猪子「フッ…。お前が言ったこと全部な…。」

猪子「今俺が言おうとしてたことだぜ！」

炭治郎「鯉夏さん。」
鯉夏「炭…ちゃん？」

炭治郎「ぶしつけに申し訳ありません。俺はときと屋を出ます。お世話になった間の食事代などを旦那さんたちに渡していただけませんか？」

鯉夏「炭ちゃん…その格好は…。」

炭治郎「訳あって女性の姿でしたが、俺は男なんです。」

鯉夏「あっ、それは知ってるわ。見れば分かるし…声も…。」

炭治郎「えっ？」

鯉夏「男の子だっていうのは最初から分かってたの。何してるのかなって思ってはいたんだけど…。」

炭治郎「《まさかバレていたとは…。》」

バレていたとは…よもやよもやだ（？）
分かっていても言わないでいてくれたのは優しい。

いなくなった人たちを助けると誓う炭治郎。

鯉夏も明日にはここを出ていくという。
奥さんにしてくれる人が現れたのだそうで。

鯉夏「私はあなたにもいなくなってほしくないのよ。炭ちゃん。」

最後まで炭ちゃんと呼んでくれる。

炭治郎「では行きます。お幸せに。」
鯉夏「ありがとう。炭ちゃんもね。須磨ちゃんのことよろしくね。」
炭治郎「はい！」

しかし炭治郎が行った後、鯉夏にも堕姫の魔の手が…！

そんな鬼の匂いを炭治郎も感じ取った。

猪子「遅いぜ！もう日が暮れるのに来やしねえぜ！惣一郎のバカヤローが！」

猪子「俺は、動きだす！」

猪子「猪突猛進をこの胸に！」

猪子「くっ…だーっ！」

猪子「ねずみども！刀だ！」

猪子「あいつ、やるやつだぜ。ムキムキねずみなんてしもべを用意してるなんてよ！俺も忍獣使いてぇ～！」

天井に突き刺さった猪子のもとに、謎のムキムキねずみが刀を持ってきた！

伊之助「行くぜ鬼退治！」

伊之助「猪突！猛進ッ！！」

あーっと、ここで炭子ちゃんに続き、猪子ちゃんも終了…。

鯉夏の身体がない…？帯の中に取り込んでるのか！？
これならわずかな隙間さえあれば通れてしまう！

「上弦の陸」と戦えるのか？
いや、1人でもやるしかない！