ささめきこと 第2話 「かわいいひとたち」

ささめきこと 2012/05/19 0:39

少女ファッション誌の読者モデル「山崎アケミ」ちゃん。
汐も一目で気に入るほどかわいくて、純夏と下校している間もアケミちゃんの話ばかり。

あまりに汐が楽しそうに言うので、純夏は本屋に行き、そのファッション誌を見てみることに。
純夏「うわっすごっ…どこ着てくんだこんな派手なの…『今年はエレロリがくる』…?どこに?」
純夏は自分がゴスロリを着た姿を想像し、「ダメだ~!」と取り乱す。


すると、純夏の後ろには、フリフリの可愛い服を着た可愛い子が!その子は驚いてすぐに逃げてしまった。
純夏「風間が見たら、大騒ぎだよ…。」

翌日、クラス委員会議のために会議室に来ている純夏はファッション誌を見ていて気付く。
純夏「昨日の子じゃん…よく見たら。」
そこに遅れて朱宮くんも到着。朱宮くんは、アケミちゃんを見てため息をつく純夏に…
朱宮「僕は、村雨さんは可愛いと思うよ。

純夏はしばらくの沈黙の後「ハァっ!?」と声をあげ、会議が始まるところなのに朱宮くんを連れて部屋を出て行ってしまった。


純夏「かっ…かっ、かっ…なんだって?」
朱宮「あの、会議…。」
純夏「そうじゃなくて、その、言ったでしょ?かっ、かわいい…とか…」
朱宮「うん。可愛いよ。村雨さんは、可愛い。」

こんなこと滅多に言われないので動揺し、朱宮くんに確かめる純夏。
でもこれで自信がついたのか、純夏はその夜、汐に選んでもらった可愛い服を着て汐の家を訪れる。ちょうどコンビニに行くところだった汐と、デートっぽく歩く2人。


するとコンビニに着いたところで、汐は可愛い子とすれ違う。あーっ!この子は!
汐「あーーっ!すみちゃん、その人、あの読者モデルの…!」

するとアケミちゃんは逃げてしまった。
汐は追いかけようとするがつまづいてしまう。あーもう!見てられない純夏は代わりに追いかける。
純夏「待ってー!あの子別に変じゃないから!…あー、いや、ちょっと変だけど!可愛い女の子が好きなだけで!」


汐のためにと必死に追いかける純夏。すると、前から純夏の顔に何かが飛んできた…。


これは…カツラ?
そう、アケミちゃんの正体は、女装した朱宮くんだったのです。


アケミちゃん「村雨さんには一目惚れだったんです。中学からずっと…。けど、見てるうちにその、村雨さんは風間さんを好きだって…。」
純夏「じゃあ何、あたしに気に入られたくて、女装を始めたわけ…?」
アケミちゃん「ええ、まぁ…。そしたら妹にバレて、面白がって雑誌に写真を送っちゃって、採用されて…。」

アケミちゃん「ほほ、ホントですよぉ!これはやっぱ恥ずかしいですから…町内だけでも本を回収しようと思って…男の格好で買うの、恥ずかしいじゃないですか!」
純夏「いや、そっちの方が見つかったら恥ずかしいと…。」
アケミちゃん「あ…うぅぅぅ…。」


アケミちゃん「あの、僕じゃ、ダメですか…?
純夏「…ダメ。」
アケミちゃん「あ…。」
純夏「って言ったら、諦められる?」
アケミちゃん「ん…。」
純夏「だよねぇ。あたしも無理だ。どんだけダメって言われても、やっぱり好きだもの。」

純夏「ホント、片思いってやつはさ――」

純夏「ん?ちょっと待て!あたし、男に負けたの?可愛さで?
アケミちゃん「あ、あはは…。で、でも、僕は村雨さん可愛いと思います!」
純夏「そんなフォローいらんわ!」

汐「あ~っ!ずるいすみちゃん!私より先に仲良くなってー!」

その後、家に帰った朱宮くんは…。

朱宮「良かった…村雨さん、僕のこと気持ち悪いって言わなかった…。」

朱宮くん家でもこれとは…ハマってるなぁ。もう純夏への思いだけでやってるってレベルじゃないような。

ささめきこと 2012/05/19 0:39
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