かつてPOGの訓練施設があったという孤島にカイト達を呼び出したバロン学園長。

ギャモン「学園長やジンもこの島でパズルの修業を積んでたってのか？」
バロン「はい。」
アナ「そのお墓…ひょっとしてバロバロとジンジンのお友達の…」
バロン「彼女は…ジンのライバルでした。パズルを愛し、パズルに殉じた一人のソルヴァー・ラヴーシュカ。」

学園長であってもバロバロと呼んじゃうアナちゃん。

ソルヴァーとしてジンにも引けをとらない能力を持ち、POGではジンのライバル的存在だったラヴーシュカ。
彼女の国は貧しく、おむすびなど食べたことがなかったという。神のパズルを解いて神の書を手に入れ、おなかいっぱいの世界を作ることが彼女の夢。
しかしジンはめきめきと腕を上げ、ラヴーシュカはそれに付いていけなくなっていった。

一方ジンはオルペウスの腕輪を手に入れ、ファイ・ブレインにまた一歩近づく。
だがジンはピタゴラス伯爵が世界を滅ぼす未来を見てしまい、それから失踪。
ショックを受けたラヴーシュカは、それから愚者のパズルに挑むようになり、そこで命を落としてしまったのだった。

ノノハ「おなかいっぱいの世界…それだけ夢をかなえたかったんだろうね。」
アナ「本当にそうなのかな？」
ノノハ「えっ？」
アナ「ラヴラヴはいい子。でも…どこかで夢がねじれちゃったのかも。」
ノノハ「夢が…ねじれた？」

ところが話はこれで終わらない。
ラヴーシュカには同じ国の出身で幼なじみの婚約者がいた。
彼はラヴーシュカの専属ギヴァーとしてパズルを作り続けていたが、交通事故で死んでしまった…と見せかけて、実は自分の存在を抹消し別人として生きていたのだ。

その頃、2人の祖国はレアメタルの採掘で急速な経済成長を始める。
彼はその混乱に紛れて国の中枢に潜り込み、ついにトップにまで上り詰めた。

その彼こそ、このエニグマだったのだ。本名は「ザガートカ」。

パズルに命を奪われた彼女の復讐のため、全てのパズラーをせん滅しようとしたエニグマ。
「ジンがパズルを憎んでいた」というのも嘘だった。

ピタゴラス伯爵に「ジンより先に神の書を手に入れなければ、おなかいっぱいの夢は叶わない」と告げられたラヴーシュカ。
自分はろくに食べもせず、「おなか…いっぱいの…世界…。おなか…いっぱいの…世界…」とうわ言のように言いながら、パズルに挑んでいた。

ザガートカもそんな彼女を応援していたが、ついにパズルの中で命を落としてしまう。

エニグマ「今ならわかる。伯爵はラヴーシュカを利用していたんだ…」
アナ「夢が、ねじれちゃった…」

ノノハ「アムギーネは豊かな国になったのに…」
アナ「ラヴラヴは、大好きな人たちが幸せになるのを見ることができなかったんだね…」

しかし、2人の祖国・アムギーネが発展を始めたのは、彼女が亡くなる少し前のこと。
ザガートカはもうじき国が豊かになると知っていたのに、彼女に教えなかったのだ。

エニグマ「国を救うのはラヴーシュカだ。他の誰かに先を越されるなど、あってはならない事だ！」

エニグマ「パズルだ…全部パズルが悪いんだ！この世にパズルさえなければラヴーシュカは死なずに済んだ。伯爵が野望を抱く事も…」
軸川「恋人を失った悲しみをパズルにぶつけてる…全てパズルのせいにしてるんだ。」
ギャモン「とんだ逆恨み野郎だぜ。」

エニグマ「大門カイト！お前の両親が死ぬ事も、ルークやファイ・ブレインの子ども達が過酷な運命をたどる事も、オルペウス・オーダーがクロンダイクに利用される事もなかった！」

カイト「パズルは悪くなんかねえ。誰かを傷つけたくって命を奪いたくって生まれてくるパズルなんかねえ！みんな作った人間が悪いんだ！お前も…お前もギヴァーなら聞こえるだろ！？パズルの泣き声が！」

だがそう言われてもエニグマは考えを改めず…

エニグマ「あきれたものだ。散々傷つけられたというのにまだパズルを信じるとは…救いようのない愚か者だ。」
カイト「何だと！？」
エニグマ「だが…それでこそ招待のしがいがある。」

エニグマはヘリで飛び立ちながら、ヘルズバレーでレイツェルがパズルバトルのために待っているから来いと言う。
それは“最後のパズルバトル”。どちらが勝とうがどちらかが死ぬという。

どうするカイト？