人気オンラインRPG「ウロボロス」。
この中で鑑はファーストと名乗り、ルーチェというパートナーと共に戦っていた。実に1年もの付き合いで息もピッタリ。

「神速の赤騎士 ザ・ファースト」「鉄壁のシスター ルーチェ」との異名で呼ばれ、最強コンビとして皆からも一目置かれる存在。

1年前、1人でいたルーチェにファーストが声をかけたのが始まりだった。

エンシェントドラゴンを倒し最強難度のクエストをクリアしてしまった2人。
残ったのはこれしかない。明日開催のイベントクエスト「多人数合戦クエスト『バトルオブURO』。
しかしこれは35人から参加可能な特殊なイベント。

ファースト「なあルーチェ。やっぱこのゲームやってるからには全イベントクリアしたいよな？」
ルーチェ「え、ええ、まあ…。」
ファースト「よし！それじゃあ3時間後にトレーニング用の部屋貼って待っててくれ。」
ルーチェ「え？でも…」
ファースト「大丈夫。人数についてはアテがある。」

ファースト「それじゃ俺一度落ちるわ。」
ルーチェ「え？もう…？最近すぐにログアウトしちゃうんですね…何かあったんですか？」
ファースト「ああ…そのことか。」
ルーチェ「ご、ごめんなさい…リアルの情報について聞くのはマナー違反でしたね。」
ファースト「いいよそんなん。」

リアルでのファースト＝鑑は教師になったため、以前のように一日中入り浸りはできなくなったわけだが…。
ファーストがログアウトして寂しそうなルーチェ。

で、鑑はその教師の立場を利用して生徒をゲームに巻き込むことに。

ルーチェ「驚いた…ソロプレイヤーのあなたがこんなに仲間を…」

生徒「か、かわいい！」
生徒「誰だあの娘！」
ファースト「おお待たせたな。みんな、紹介するぜ。このウロボロスでペアを組んで1年以上になる俺のパートナー・ルーチェだ。」

ファースト「はっきり言ってスゴ腕だ。明日俺達と一緒に闘ってくれる。」
ルーチェ「よ、よろしくお願いします…！」

いやあ嬉しそうです。

ファーストは学校の先生で、あいつらは生徒だと聞かされたルーチェ。

ルーチェ「（そうか…だからあの人は最近こっちにログインしなくなったんだ…）」

実戦で戦い方を教えるファーストとルーチェ。

ルーチェ「不意打ちは有効な手段かもしれません。ですが…ファーストにもパートナーがいることを忘れないで下さいね。」
騎咲「無念…。」

この少しドヤ感を出してるのが可愛いですな。

生徒達で作戦を組んでみても、最強コンビにはかなわず。

しかし実戦を重ねるうち、みんな徐々に戦い方が身についてきた。
だがここでファーストは大事なことに気がつく。人数が足りない！

ファースト「うちのクラス…全部で33人いるはずなのに32人しかいない…全員連れてきたはずなのに。」
騎咲「お前はバカか？純一郎。不登校児だよ。私以外にももう1人年季の入った奴がいたはずだ。どうせまともに出席も取っていないから気づかなかったんだろ。しょうもない奴だな。」

そこでファーストはログアウト。今からその不登校児を連れてこようというのだ！
そんな無茶な…でもそれをやるバカが鑑である。

不登校児の名前は荒木光太郎。さっそく鑑は家に向かう。
まあもう皆さんわかってるでしょうが…いよいよその正体が明らかになる時がきた！

「明日には光太郎君に登校してもらいます」と意気込む鑑。
一見熱心な教師に見えますがそれはゲームのためである。

鑑「電子ロックか…素人にしちゃ随分がっちり引きこもってますね。」
光太郎母「ええ…それだけならまだ良かったんですが…。」
鑑「ん？」

開けてくれるかしら…と心配する母親をよそに、鑑は慣れた手つきで電子ロックを解錠！

鑑「うおっす！俺は鑑純一郎だ！お前のクラスの…えっ！？」

やったっ！！

光太郎「あっ…はっ！？」

鑑「あっ？ルー…チェ！？」
光太郎「もしかして…ファースト？」

驚いてイスから転げる！


光太郎「うわあっ！」
鑑「（なぜ…なぜルーチェがここに？だってここは…）」

おい鑑見えたな？見えたか！？

光太郎母「あの…先生…」

光太郎母「あれが息子の光太郎です。」

＜電波教師原作CM＞

よっしゃ！やった！やったぜっ！悦びしかない！
ルーチェ＝荒木光太郎。ネカマというだけではなく現実でも女装している筋金入りの男の娘！
土曜は朝から夕方から男の娘祭り！日本の夜明けって感じだ！

次回予告


鑑「俺は神速の赤騎士ザ・ファースト。いや驚いたぜ！まさかルーチェが不登校児・荒木光太郎だったとはね。さて次回は、足りない1人をあいつに頼み、やっとウロボロスに参加できると思ったら、今度はルーチェが敵前逃亡！？10時限目『光太郎のユウウツ』。ルーチェ、いくら逃げてもこの俺が必ず迎えに行く。だってお前は俺のパートナーだからな！」